活動報告

2020/10/25レッスンレポ

一緒に身体を動かす楽しさが、日常の暮らしやすさを作っていく時間

毎月第4日曜日に札幌市中心部の施設「かでる2.7」にて開催されているハンディキャップヨガのレッスン。ヨガを、参加される方の“日常の暮らし”をより良くしていくために生かすことに主眼がおかれたレッスンです。

身体を一緒に動かすことの楽しさを感じる。そしてその運動の中で呼吸のしやすい身体に整える。いつもより深く呼吸ができるようになった身体でリラックスした時間を過ごし、落ち着いた自分の心を体感することができる時間です。

 

眼の動きをよくして協働調整

今回はいつもとは違い和室が会場。畳や座卓、座布団なども活用してレッスンを行いました。

運動前にウォーミングアップとして「目の動き」のトレーニングを。ペアになり、紐に数カ所丸いカラフルな飾りがついた眼球運動のトレーニンググッズを使い、縦・横・斜めと紐の角度を変えたり、丸い飾りの間隔を変えてそれを目で追ったりすることで普段とは違う目の動かしをしていきます。

親子でペアを組んだり、一緒に来たヘルパーさんと組んで、時々、役割を交換して取り組んでいきます。

この目の動きは自分はやりにくいんだな、と気づくだけでも知らず知らず身体の使い方にクセがあることを知るのに役立ちます。そして目の動かしは見る力を高め、日常の作業や運動の基盤となり、日常生活の質を高めることにもつながります。

目を動かした後は座卓を活用してピンポン玉と紙コップを使って卓球のようなエクササイズ。
ペアで行うので、コミュニケーションの活性にもなり、一人ではなく誰かと一緒に楽しく行うという”協働”で、目と身体の動きをつなぐ”協調運動力”を高めていきます。

目でピンポン玉を追いつつ、手先で捉え、相手に返す。腕や上半身のコントロール力も自然と発揮されます。

眼と脳、身体(動き)は密接に関わっています。麻痺などで動きにくい方にとっても、眼でボールを追視し、距離感を捉え(視空間認知)、どれぐらい腕を伸ばせばいいか、どの方向に手のひらを向けたらいいか(ボディマップやモビリティ)を瞬時に判断してコントロールすることで脳神経が活性されます。

ペアの組み替えで色々な方とコミュニケーションもとるので、レッスンは和やかな空間になっていきました。

 

脳神経のスイッチが入ったら、動きの再学習へ

座卓を片付けて、座布団を一つの大きな円になるように並べて、全身を使った動きに入っていきます。

身体を伸ばしたり、ゆるめたり。人それぞれやりにくいことは違いますが、無理に人と同じようにできなくてはと身体に負担をかけるのではなく、その人の今の身体にとってより快適な状態を目指せるように整えていきます。円になって一緒に行いつつも、一人一人が自分の身体と対話をして自分の感覚を探って体感していく時間でもあります。

座って身体を動かした後は、畳の部屋であることを大活用!

横になります。みんなでタイミングを合わせてぶつからないようにゴロン♫と体側を畳につけるように身体の横側でバランスをとります。続いて反対側でも。その後には一回転をゆっくりと行いました。赤ちゃんが寝返りをうつのと同じ動きです。そこから這う動きや起き上がる動作を行うことで発達の過程を身体に再学習させます。

みんなで息を合わせる面白さもありますし、結構、腹筋や体幹を使うのです。

寝返りを打てるようになったら、赤ちゃんは視覚の発達により目線を上げるようと顔を持ち上げ背筋や腹筋が鍛えられ、手をつくようになります。

それは、まるでバッタのポーズ、コブラのポーズです。
まさにヨガが生きる所以です。

心地よさは自分の身体から育める

終わりはリラックスポーズ。

畳の上に仰向けになって全身の力を抜いて目を閉じます。静寂の中、ただ静かに自分の身体と心を落ち着け、全身の力を抜いてリラックスする時間です。皆それぞれに顔からも身体からも力を抜いて、ただ静かな時間を味わいます。

終わりを告げる音が響くと、ゆっくりと身体を起こしていきます。穏やかな、でもリフレッシュされた雰囲気が漂います。

すっきりとしたレッスン後の心と身体。

呼吸がしやすく整った姿勢は、日常の中での心地よさを自分で育むことができることを教えてくれます。

 

来月も皆さんと身体の内側・外側から心地よさを育む時間をご一緒できるのを楽しみにしています。

 

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